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身も心もシンプルに暮らしたい。

ブランド物が好きではなくなってきた話。

わりと誰もが通る道なのかもしれませんが、かつて私は、服飾品に関して「ブランド物」に弱いタイプだったと思います。

 

具体的には10代~20代の頃かな。
なんとなく恥ずかしくて、大きくロゴが書いてあるTシャツ等には手を出さなかったけれど、シンプルな本革のバッグに、小さくブランドロゴのプレートがついているような、さりげなく上質感をアピールできるような商品には憧れを持っていました。


とは言え1個で何十万円もするハイブランドの商品を購入する勇気はなかったし、自分が飽きっぽい性格であることは昔から分かっていたので、厳選に厳選を重ねて、せいぜい1年に1、2回、数万円の物を買う程度。
それでも自分では、大切に長く使うことを前提として買っているつもりでした。

 

ところが、実際にそれらを使ったのは1個につき長くても2、3年くらい。
どんなにシンプルなデザインでも、ブランドロゴが入っていると、突然愛着が冷めていくことが多々ありました。

それは単にそのブランドに飽きるというより、「ブランドイメージに拘束される自分」に息苦しさを感じるという感覚。

 

ブランド物って、有名ブランドであればあるほど、世間の人がなんとなく共有している「所有者のイメージ」があるのだと思います。
「このブランドのバッグはこういう系統の人が持っている」みたいな。

 

だから、ちょっと憧れのブランドの上質バッグを買うと、そのバッグを持つ時に合わせる洋服やバッグを持つ時の精神状態、もっと言うと、生活スタイルにまでじわじわと影響を及ぼしてくる。
それが「こんなに素敵なバッグを買ったのだから、このバッグに相応しい人になろう」と前向きなモチベーションになり、その意志を実行できれば健全なのでしょうが、現実はそう簡単にはいかなくて。
私の場合は、残念ながら「このバッグにこの系統の服は合わないよな…」とか、「このバッグを持ってるのにこんな生活してる…」とか、ちぐはくで落ち着かない気持ちになることが多かった。

 

単にそのブランド商品を買って所有することが、自分にとっては身分不相応な買い物だったというだけのことかもしれませんが(苦笑)

 

でも、何と言うかそれだけでもなくて。
「そのブランドイメージに合った人にならなきゃいけないと思い込んでいる自分」そのものを苦しく感じていたのです。

 

素直に「このブランド好き!可愛い!欲しい!」と思えて、手に入れることができたらハッピーな気分で使う。
たぶん、そういうシンプルな気持ちで商品を愛せる人こそ、ブランド物を楽しむのに相応しい人なのだと思う。
私のようにいちいちごちゃごちゃ考えてしまう人は、いっそブランド物なんて持たないほうが楽なのかもしれない。

 

そもそも、ブランド物を持つべきなんて誰が決めた?
世間やメディアにそう思わされている?
私が勝手に情報を取捨選択して、そう思い込んでいるだけじゃないの?

 

そう気づいてから、以前から周期的に発生していた、ブランド物を欲しいと思う気持ちがすーっと引いて行くようになりました。

 

そしたら、すごく楽!
有名ブランドの商品を身につけなければ、誰も私の格好を見て「これはどこそこのブランドのだな」「何シーズン前のやつだな」とか気づかないし(自意識過剰かもだけど、ブランドに詳しい人なら実際そのくらい簡単に見抜いていると思うから)
何にも所属せず、何にもとらわれず、本当に自分が求めている物を選んで買えるようになりました。


とは言え今でも密かに好きなブランドはあったりしますが、たぶん、世間的にはだいぶマイナーな部類のブランド(笑)
そしてブランドイメージではなく、たまたま商品そのものに惹かれて購入しているので、持ってからちぐはぐに感じることもありません。

 

もしかしたら、多くの人にとってはごく当たり前のことなのかもしれませんが、ブランドにとらわれない物選びをする快適さを、私は最近になってようやく実感しているところです。