izucolog

身も心もシンプルに暮らしたい。

『きみは赤ちゃん』を読んで腑に落ちたこと

あけましておめでとうございます。

 

年末年始に、本を一冊読みました。

 

友人に薦められて読んでみたらとっても面白かった育児エッセイ。

川上未映子さんの『きみは赤ちゃん』です。

 

何が面白かったって、川上さんのネガティブ描写(笑)

とにかく、産前産後の妊婦にありがちな不安や葛藤の描き方が克明でリアル。

これに共感しないお母さんはいないのではないか?と思うほど。

それでいて決して重苦しくなく、むしろ笑えるのは、川上さん独特のつるつると読ませる一文の長さと、当事者としてはどんなに深刻な精神状態の時でも、冷静なセルフ突っ込みを忘れない俯瞰の視点で描かれているから。

 

妊娠してから自分と似た状況の方のブログやインスタグラムをたくさん読み漁りましたが、やっぱりプロの作家さんの文章って強度が違うな…と、当たり前のことを実感しました。

 

最も印象に残ったのは、「すべての出産は、親のエゴだから」という言葉。

 

これは私自身、子供を持つことを真剣に考え始めた時からずっと感じていたことでした。

 

前回の記事にも書きましたが、私は不妊治療を経て妊娠しています。

 

izucolog.hateblo.jp

 

実は昔から子供があまり好きではなく、むしろ「いい歳をして、他人の子供にどういうテンションで接すればいいのか分からない…」などと悩んでいた(今も悩んでいる)自分が、なぜそこまでして子供が欲しいと思ったのか。

 

正直に言えば、その理由は「愛する人との子供を産みたい」、「女性として一度は子育てを経験したい」的な純粋な気持ちは5%くらいしかなく、残りの95%は「これ以上、子供のいない状態で義実家と付き合っていくことに耐えられない」という、ザ・自己都合丸出しの理由でした。

 

その程度のモチベーションの自分が本当に子供を産んでいいのか。

自分の勝手な都合で、新しい命を作り出していいのか。

 

妊娠期間中、ずっと自問していました。

 

でも、考えみれば「愛する人との子供を産みたい」も「女性として一度は子育てを経験したい」も一見キレイで正当な理由だけど、産む側の勝手な都合であることには変わりないんですよね。

だったら、私の理由だって特に引け目を感じる必要は無いんじゃないの…?と思いながらも、やっぱり自信満々にはそう思えない自分もいて。

 

そんな風に日々悶々としていた中で、川上さんの上記の言葉を読んだので、あぁ、やっぱりそうだよね…ととても腑に落ち、ずっと抱えていた、夫や産まれてくる我が子に対する罪悪感も少しマシになりました。

 

それにしても。

 

このエッセイ、産前のネガティブ描写もさることながら、産後はもっとすごかった(笑)

今から産後の生活を想像しては恐々としていますが、もう本当にどうなっちゃうんだろう…?

 

未知すぎて不安すぎて、「なるようになるしかない」と思うしかないですね(;´∀`)