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出産とその痛みについて

先日、予定日より10日早く出産しました。

2900gほどの男の子です。

 

もともとは無痛分娩を希望していた私。

無痛分娩は平日昼間の麻酔科医がいる時間帯しかできないため、計画分娩予定日の前日夕方から入院し、子宮口を拡げる処置をしてから、翌日の分娩に備える…という流れになる予定でした。

 

ところが、子宮口を拡げる処置をした日の夕食後、前駆陣痛らしきものが来たかな?と思うや否や、あっという間に2~3分間隔の本陣痛がやってきてしまいました。

激痛に耐えつつ陣痛室へ向かい1、2時間程悶絶していると、既に子宮口が7cmまで開いているとのこと。

「もうこのまま産んじゃいましょう!」と分娩室へ誘導され、そのまま、まさかの完全自然分娩となりました…。

 

初産にして、陣痛開始から約4時間の超スピード出産。

初めてでこんなにスムーズにお産が進む人は滅多にいないらしく、結果的には超安産となり、子宮の戻りも助産師さんから驚かれるほどよく、出産当日の昼間(未明に産んだので当日は一日オフになった)には院内を散歩できるほど身体の回復も早かったので、無痛分娩は出来なかったけれど、かなりラッキーなお産だったのだと思います。

 

ただし、

 

陣痛、めちゃくちゃ痛かったけど(´༎ຶ۝༎ຶ)

 

入院中によく一緒に食事をしていた他の初産婦さんから聞いた話によると、彼女は私と正反対の超難産だったのですが、助産師さんから「安産でも難産でも、痛みの総量は同じ」と言われたそうです。

 

それを聞いて、妙に納得してしまった私。

 

なかなかお産が進まず、結果緊急帝王切開となり、産後の身体もしんどそうだった彼女と私の痛みの総量が同じだなんて、私自身が認めてしまったらおこがましいけれど、確かに、私が味わったわずか4時間の陣痛には、一般的に初産婦が経験する十数時間ぶんの痛みが凝縮されていたように思います(真顔)

 

2~3分おきに来る陣痛に独り陣痛室で悶え苦しんでいた時、痛みの合間にスマホで必死に「陣痛 逃し方」と検索していたのですが(笑)、「とにかく深い呼吸をすることが大事」「目を閉じで息を止めるのが一番最悪。余計な体力を使う」などと書いてあるばかりで、こんなに痛いのに深い呼吸なんてできるわけないわ!目を閉じて息を止めるしかできっこないわ!としか思えませんでした。

当時は痛みで相当パニックになっていたけれど、今冷静に思い起こしてみても、陣痛中に深い呼吸が出来る余裕があるなら大して痛くないのでは…と思う。

 

あの痛みを何と形容すればいいのか…とにかく、「痛いけれどまだいきめない」という、行き場のない痛みが何度も繰り返される時間が一番つらかったです。

その時はまさか超スピード出産になるとは思いもせず、この陣痛が朝まで続くのか!?ありえない、無理!!と思っていたし、前駆陣痛もそこそこに突然本陣痛が来たから、痛みに対する心の準備が全く出来ていなかったので。

 

分娩室に入っていきめるようになってからは、相変わらず陣痛はやってくるものの、いきむことによって痛みが発散されるような感覚があったぶん、まだマシでした。

よく「産まれる瞬間は鼻からスイカ」とか言うけど、その頃には痛みの感覚が完全にマヒしていたせいか、陣痛の痛みに比べたら可愛いもん、くらいの印象でした。

 

産まれた直後も、目の前で繰り広げられる「産まれましたよー」「おめでとう」といったやり取りが現実世界の出来事とは思えず、私自身は 陣痛おわた… (꒪⌓꒪;|||)!?という脱力感しかありませんでした。

その後も陣痛の痛みが何度も脳内でフラッシュバックして、当然、一睡も出来ないまま朝を迎えたという。

 

無痛分娩を選択するまでには、お産でしか味わえない痛みを経験しなくていいのかな?そこから逃げていいのかな?という葛藤も少なからずあったので、これで胸を張って我が子のことを「お腹を痛めて産んだ子」と思うことができるな、というのが、自分の中でのちょっとした自信になったかもしれません。

(かと言って、無痛分娩や帝王切開を否定する気はもちろんありませんが)

 

あと、「産んだら我が子可愛さにお産の痛みなんて忘れる」とかよく聞くけど、それは我が子が可愛いからじゃなくて(我が子は可愛いけど)、産んでからが怒涛の日々過ぎて、お産が遠い過去の出来事と感じざるを得ないからではないか、と思います(笑)