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身も心もシンプルに暮らしたい。

苦手な料理が好きになってきた理由。

私は昔から手先が超・不器用で、実家暮らしが長かったこともあり、料理に対する苦手意識がとても強くありました。

 

作れば案外美味しくできたりもするのですが、とにかく「私は料理が苦手だし好きじゃない」という「意識」が強かった。

 

夫と出会い結婚を意識しだしてからは、実家でも土日になるべく料理をするようになりましたが、結婚して共働きをしていた2年弱の間は日々の生活が猛烈にストレスフルで、料理らしい料理をした回数は片手で数えられるくらい(苦笑)

 

仕事を辞めて専業主婦になってからは、さすがに夜だけは毎日作るようになりましたが、今思えば義務感でやっている部分が大きかったです。

「自炊するからには外食や中食よりも安く上げなくては」と節約に走り、ストイックに食費を制限していたことも、「料理=義務」という心理に拍車をかけていたと思います。

食費を抑えると買える食材が限られてくるし、メニューもワンパターンになりがちで、どうしても制約感が強くなってくるので。

幸い、夫は何を作っても喜んで食べてくれるのでとても助かっていたのですが、それをいいことに毎日鶏むね肉でしか主菜を作っていない時期もありました(笑)

 

そんな事態が変わったのは、自分のつわりが始まってから。

 

妊娠確定よりも早くに、「あれ?頑張って作ったはずの料理が今日はなんだか味気ないぞ…」と感じるようになったのです。

その後、スーパーの食品売り場の匂いも無理なくらい本格的なつわりがやってくるのですが、真っ先にダメになったのが自分の鶏むね肉料理だったという(苦笑)

 

つわりの時期は料理が一切できず、最低限の掃除や洗濯を済ませたら横になっているばかりで、毎日が永遠のように長く感じました。

つわりでも仕事をしている人だって大勢いるのに、専業主婦なのに料理すらしない自分って…と、もともと低かった自己肯定感はますます低くなる一方。

 

義務感でやっていた料理すら、普通にできる健康状態というのがどれだけ有難いことなのかと痛感しました。

 

その後、徐々につわりも落ち着き、少しずつキッチンに立てるようになっていきましたが、いかんせん鶏むね肉メニューへのトラウマは強く(笑)、それまでの料理内容を見直していく必要性が出てきました。

あと、「せっかく作るのだから美味しく食べたい」という願望もつわりになる前より強くなり、一回一回の食事を大切にしたいと思うようになってきました。

なので最近は、節約を意識しつつも、それまで買わなかった食材をあえて買ってみたり(ごく一般的な食材の範疇ですが)、不器用な自分にはハードルが高いと思っていた料理にも挑戦してみたり、本当に少しずつだけど、以前より料理に対して積極的なってきたと思います。

 

そうして作った料理が自分で美味しく感じられると、とっても嬉しい!

夫も今まで以上に喜んで食べてくれるようになって、もっと嬉しい!

 

そう、料理が美味しく作れると、自己肯定感が上がるのです。

私の場合はこれまでの苦手意識が強かったぶん、「なんだ!私も結構できるじゃん」と思えることがすごく貴重で。

さえなかった一日でも、夜ご飯が美味しく作れるとそれだけで「今日という日も無駄じゃなかったなぁ」と思えるという(笑)

 

あと、料理ってとてもクリエイティブな作業なのに、食べれば目の前から消えてなくなるというのも、自分にとっては都合のいいことです。

私はもともと絵を描くことが好きだったのですが(不器用でも絵だけは割と得意でした)、年々、自分よりも上手い人なんて幾らでもいるという事実にやる気が削がれるようになり、特にここ10年くらいは「少ないもので暮らしたい」という意識があるため、「描いても保管に困るしなぁ」と思うようになってしまい、最近ではめっきり描くこと自体なくなっていました。

 

その点、料理は毎日作っても、結果が微妙な出来だったとしても、食べれば終わり。

ついでに(?)栄養にもなるし、健康にもなる。

夫も喜んでくれるし、自己肯定感も上がる。

私にとっては一石何鳥にもなる作業だということに気づいたのです。

 

以来、これまでは苦手で義務でしかなかった料理が、少しずつ好きになってきたと感じています。

まだまだ「料理好き」、ましてや「料理が得意」なんて人前で言えるレベルではありませんが、自分の中では大きな変化だと思っています。