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気分変調性障害という病【2】

前回の記事の続きです。

 

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本によると、たとえ医師から「あなたのそういった思考回路は気分変調性障害によるものであり、あなた自身の性格に問題があるわけではない」と告げられても、「いや、これはあくまでもともとの性格の問題。私なんかが病気ぶっていたら、本当に病気の人に申し訳ない」と頑なに認めようとしないのがこの病の最たる特徴なのだそう。

 

…それ、まさに私じゃん(笑)!!

 

他にも、気分変調性障害の特徴をまとめると、

 

・思春期前後に発症し、病気という自覚なく自分を責め続けて成長して、社会に出てからつまずくことが多い

・自分以外の人がみんなちゃんと出来ているように見え、自分だけが出来ていないと感じる

・そんな自分をひた隠し、まともな人間のふりをして生きるため、常に神経をすり減らしている

・なので、一見普通に生活出来ているように見えても、内心はいつもいっぱいいっぱいで物凄く疲れている

・出来ない自分を隠すために人一倍頑張るので、職場などからの評価は「真面目な人」「ちゃんとしている人」とむしろ高い

・そんな他人からの評価と自己評価のギャップに苦しみ、「本当の自分は全然ダメなのに…」と罪悪感の無限ループ

 

などなど、読めば読むほど、図星なことしか書かれてなくて(苦笑)

当然こんな調子なので、常に自律神経が乱れていたり、慢性的な睡眠障害に悩まされていたり、大うつ病(いわゆる一般的なうつ病。詳細はググってください)を併発したりする人が多いのだそう。

う~ん、見事に全部当てはまっている…。

 

うつ病のような薬物治療にも一定の効果はあるそうですが、根本的なところからこの病気と向き合っていくためには、やはり専門のクリニックでカウンセリングを受ける必要があるとのこと。

が、まだ発見から歴史が浅い病気ということもあり、気分変調性障害専門のカウンセリングを行っているクリニックは少なく、費用も基本的に保険診療の対象外。

著者である水島広子先生のHPを見ても、1回のカウンセリング料金で万単位。

妊娠中の身でもある私にはなかなかハードルの高い治療です。

 

本には実際のカウンセリングの事例も多く掲載されていて、カウンセリングの中でも、とにかく医師は患者の話した内容に対して「その思考は障害のせいであってあなた自身の性格によるものではない」と根気強く認識させることを繰り返すのだそう。

この病気を治療していくには、自分がそういう病気であることを自覚する、ある意味で病気のせいにすることが最も肝要なのだそうです。

自覚すること自体が、一番の治療になるらしい。

 

私はとりあえずまだカウンセリングには行かず、本に書かれていたことを繰り返し読み、日々の生活の中で悶々とした精神状態に陥ったら「あー今変調してるから思考が変になってるんだ」と自分を客観視する癖をつけることにしました。

自分を客観視すると言っても、それがなかなか難しい。

何しろ、それが出来ずに自己嫌悪のループに陥るのがこの病気なので(苦笑)

 

なので夫にも本を一読してもらい、私が病みモードに入っていることに気づいたら「変調してるよ」と指摘してもらうようにしています。

幸い夫は医学系の研究職に従事していることもあり、精神的な病に関しては専門外ですが、本を一読しただけでこの病気のことを私以上によく理解してくれています。

(そして夫の目から見ても、やっぱり私には気分変調性障害の症状がどんぴしゃに当てはまるらしい…複雑だ)

 

この本に出会ったからといって、まだまだ「自分の生きづらさの正体が分かって楽になった」と言えるほど治癒に向かってはいませんが、気分変調性障害という病の存在を知ることができただけでも、とてもよい契機だったと思っています。

大学生の頃にこの本に出会えていたら、もう少し違った社会人生活を送れていたかな?とも。

まあ、当時はまだ出版もされていなかったのですが(笑)

 

個人的には、自分が気分変調性障害であるということを知らない、隠れ気分変調性障害の人って実はすごく多いのではないかと思います。

物心がついた頃からずっと生きるのがしんどいけれど、明確な原因が分からない…。

発達障害なのかと思ってその類の本を読んでみたけれど、自分はそこまで当てはまらない…。

そういう心当たりがある人には、ぜひ読んでみてほしい一冊です。